玉取だがねと花畑さん

この文書を、2004年に岩手大学オリエンテーリング大会を主催した岩手大学オリエンテーリング部のメンバー、かつて岩手大学オリエンテーリング大会として200人の参加者を集めた大会を主催した7名に、そして若葉の大会と称してオリエンテーリング普及行事をし続けた筑波大学オリエンテーリング愛好会に奉げます。

この文書は、幼少期に茨城県つくば市の地図「玉取だがね」でオリエンテーリングの普及目的で開催された行事に参加した花畑さんが、その後成長し、東北のある県の大学に進学してオリエンテーリング活動を開始したという事実の記録を試みたものです。


大学4年の夏休み、私は実家への帰省と自分の卒業研究のためのフィールドワークをかねて、故郷の青森県八戸市に1ヶ月ほど滞在しました。フィールドワークだけでは退屈なので、トレーニングしたり、山に遊びにいきましたが、岩手大学の学生クラブが実家から車で1時間半ほどのところでオリエンテーリング大会を開催する準備をしているということを聞いていたので、興味本位でそのお手伝いに参加させてもらうことにしました。

岩手大学とのつながりは2003年にさかのぼります。私が私の所属する学生クラブで主催大会を開催する際に、人員と大会の規模と収入/支出のバランスをどのように設定しようか悩んでいた際に、岩手大学のクラブが過去に6名で200名の参加者をさばく大会を開催したということを聞いたので、当時の運営者と連絡をとり、その際にどのようなことを考えたのか、その知識のいくつかを教えてもらったことがきっかけです。そのとき色々と連絡を取ってくださったのは岩手大学のOBの数名であって、大会の伝統や規模にしばられない自由な発想と、自らが作り上げるというその哲学に感嘆した記憶があります。そんなこんなで、恩返しも兼ねてというのが本当のところでしょうか。

岩手大学のクラブはここ数年、その活動内容がとても充実してきているクラブのひとつです。主催大会をほぼ毎年開催していて、またクラブ員が主体的に活動に参加しているという印象を持つことの出来るとても元気のよいクラブでした。私の連絡にもすぐに対応してくれて、直接現地で合流することになりました。お手伝いする期間は3日間。彼らの借りているコテージで一緒の宿泊です。

この大会の中心にいたのは、一人の女性でした。話をしてみると、彼女はもともと茨城県つくば市に住んでいて、小学校のときに私の所属している学生クラブがオリエンテーリング普及のために開催していた行事に参加して、オリエンテーリングのことを知ったそうです。花畑さんと私が一方的に愛称で呼んでいるのも、彼女の実家がつくば市花畑にあったからです。私の所属していた学生クラブがかつて実施していた普及行事の参加者が、それから10年ほどしてここ岩手県でオリエンテーリング活動をしているなんて、とても印象的でした。

さて、この学生クラブが地図化して大会を開催しようとしているのは、安比高原スキー場です。スキー場は冬場の利用が多く、夏場の利用が少ないところに目をつけて、スキー場管理会社にこの話を持っていったところ快諾してくれたそうです。言うのと行うのはその難しさに圧倒的な違いがありますが、おそらく彼女もまた、スキー場管理会社と度重なる交渉をして、この大会につなげているのでしょう。

スキー場の林もコテージもきれいで、岩手の個性的な学生たちとの交流も楽しめ、とても印象の深い夏でした。

大会そのものは10月に開催されたので、その週末は帰省して実家から向かいました。運営そのものも問題なく、コースはスピードがあってタフなものが提供されていて、レースの後はスキーリゾート施設で楽しめるという、日本のオリエンテーリングにはなかなかない要素が満載の大会でした。帰り道に高速自動車道を使わなければならないほどすっかり疲れてしまうほどの高度なオリエンテーリングをすることができました。みなさんどうもありがとう。


そんなお話。おしまい